MENU

お知らせ・ブログ

野良猫への餌やりが、かえって殺処分増につながる

こんばんは。最年少松本市議会議員(県内初の平成生まれ議員)の青木たかしです。
今、全国の住宅街では野良猫の繁殖・糞の被害が発生し、地域トラブルのひとつとなっています。
住民の方が野良猫に餌付けをすることで、数がどんどん増えてしまい、野良猫が近隣住宅の敷地内で糞をしても、そのままにされてしまうといったものです。
自治体によっては、そのような行為を「不適切な餌付け」として、罰金を科す条例を制定するところも出てきました。
そのようにして増えていった野良猫たちは、最終的には保健所に引き取られ、引取先がなければ殺処分されてしまいます。
動物愛護的観点からも、「不適切な餌付け」が問題視されているのです。

今、保健所を持たない松本市では「地域ねこ管理」という方法でその対策をとっています。
これは、野良猫を「地域のねこ」として管理するもので、一定のルールで餌を与えつつ、去勢・不妊手術を行い、トイレのしつけをすることで、野良猫の自然な減少を図ろうとするものです。
ボランティア団体が地域と協力しながら取り組んでおり、市はこの去勢・不妊手術に補助を出しています。
ペットの飼育について(松本市)
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/smph/kurasi/sumai/pet/pet_rule.html
事業開始の平成25年度から平成28年度までにこの補助を使って去勢・不妊手術を受けた野良猫は486頭。
去勢手術などを終えて、野良猫の管理ができるようになった地域は計36エリアとなり、90エリアで地域ねこ管理が進められています。
この事業を始めて以降、保健所による野良猫の引取件数や殺処分数、苦情は減少してきているとのことで、一定の効果はあるようです。

現在松本市は、より自治体としての権限が強くなる「中核市」への移行を目指しています。
中核市になると、今は県が設置している保健所を市で設置することとなり、野良犬・猫の対策やその殺処分も市の管轄となります。
また、高齢化が進み、それまで飼っていたペットが飼い主の施設入所などで飼えなくなってしまうケースなどもこれから増えてくると言われています。
これらを受けて、29年2月定例会の際に、この野良猫の今後の対策について委員会で質問をしました。
担当課からは、平成29年度まで現在の地域ねこ管理事業を実施した後、その実績をもとに今後どのような対策をするのが良いか、改めて検討するとの答弁がありました。
中核市への移行も踏まえ、市としてどんな対策がとれるのか、今後も研究していきたいと思います。