5月時点で示されているイオン渋滞対策まとめ
こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。
5月17日に臨時会が開かれました。
市議会は、年4回(2月、6月、9月、12月)開かれる「定例会」と、必要があるときに開かれる「臨時会」がありますが、今回は今年に入って第一回目となる臨時会に当たります。
これらの冒頭では、審議する議案の説明がなされる前に、市長がその時の市政の重要事項について話すことになっています。
今回はその所信の中で次の6つが示されました。
1,亡くなられた有賀前市長のお別れの会について
2,市制施行110周年事業として6月17日に全日本はないっぱい大会が松本で開かれるが、未来を担う若者に参画してもらえるように取り組んでいく
3,松本が粘り強く取り組んできた健康寿命延伸政策について国内外から高い評価を受けている
4,姉妹都市のスイス・グリンデルワルト村による公式訪問があり、本年は松本が訪問することになるので若い世代と交流を図っていきたい
5,松本空港国際化を県とともに取り組んでいく
6,イオンモールオープンを心待ちにする市民がいる一方、渋滞を心配する声があり、具体的対策が喫緊の課題となっている。対策として次世代交通を着実に進めていく。
本日は臨時議会。
市長の所信で、イオン渋滞対策は次世代交通を着実に実行することで対応すると重ねて表明されました。
これから委員会審査に移ります。
— 青木たかし(最年少松本市議会議員) (@aoki1230) 2017年5月17日
これらを聞いていて
・いろんな場面で若い世代への取り組みや関わりを強く意識されている
・イオン出店による渋滞対策は喫緊の課題だが、今後市で行う対策は次世代交通の着実な推進としている
という政治姿勢を感じました。
その後開催された建設環境委員協議会の中で、イオン渋滞対策の施策が一覧で示されていますが、現時点で具体的に市が取り組もうとしている事業は次の3つです。
・市街地バスの運行費用を市が負担し、20分おきにバスが来るように便数を増やし、路線も便利になるように再編する
・無料貸自転車「すいすいタウン」を65台から160台に増やして、松本駅前にも設置する
・大庭駅に60台分のパークアンドライドを設置する
松本駅前に貸自転車が整備されることは松本を自転車のまちとしてPRする第一歩となります。バスの便数が約3倍弱となるのは、バスを利用しようと思えば便利になるでしょう。
一方、そのバス自体が渋滞に巻き込まれて、バス利用増につながるかが懸念されます。
また、昨年の議会で質問した中で、乗り捨て可能なコミュニティサイクル(docomoやSoftBankなどで実施しています)の設置や、スマートフォンアプリでバスの位置情報を見れる低コストのロケーションシステムを今後検討するとされていたのですが、それがイオン開店に間に合わない見通しとなっているのは残念です。
あわせてイオンが取り組む対策でわかっている主なものは次の通りです。
・イオン敷地内に立っていた電柱の無電柱化
・買物荷物の有料宅配サービス
・公共交通で来てくれた客へのバスチケット配布
・イオン駐車場の有料化
・イオン出入り口周辺の右左折レーンの設置
などなど・・・
これらの説明を受けて、主に次のような質問をしています。
◯Suicaのような交通ICカードを使ってバス運賃を支払えるようにする検討状況は?
→ 長野市でKURURUと呼ばれるICカードが使われていて、そちらを県下で統一して導入ができないか検討している。
KURURUであれば福祉100円バスのように政策的な運賃割引も可能になるようです。しかし、KURURUとSuicaを両方使えるようになっていないため、そのシステムを構築するのにはまだ時間がかかるとのことでした。
◯KURURUとSuicaの両方を使えるシステム構築には時間がかかる。Suicaだけでも先に導入できないか?
→ Suicaだけ導入する場合でも全国的なシステムを変えることとなり、先行して導入するには大きなコストがかかる。
◯低コストのバスロケーションシステムの検討状況は?
→ コストがそこまで掛からないシステムで、現在アルピコ交通と協議しながら導入を検討している。
◯他市では乗車スタンプがたまると商品券に換えられるなど、経済的なメリットを与えることで乗車率向上につなげているところもある。公共交通を使う経済的なメリットを検討してほしい。
→ 他市の事例を研究しながら導入できるか検討する。
◯バス停標記やバスの乗り方が、バスに乗ったことのない人にとって難しいので、工夫をしてほしい。
→ アルピコ交通と協議して検討していく。
◯今後導入するコミュニティサイクルにおいて、電動自転車を導入してほしい。
→ 導入できるか検討する。
◯大庭パークアンドライドの料金設定は?具体的な場所は?
→ 24時間200円の平田駅のパークアンドライドを参考に決定していく。具体的な場所についてはまだ調整中。
◯イオンによる従業員駐車場の確保の現状は。来店客の駐車場スペースを圧迫しないか。
→ イオンの南側・東側の位置に確保していると聞いている。イオンの駐車場と、市で想定する渋滞対策効果を出すために必要な民間駐車場台数(計900台)を使用することにはならない。
この他にも、
・歩こう運動の有効性には疑問の声が多いこと
・買物荷物を持って歩くことは現実的ではなく、荷物を宅配するサービスが有料であれば利用しないとの声があること
という多くの方から聞かれた声についてもお伝えしています。
既存のイオンでも、交通対策として設置された有料の宅配サービスはあまり使用されていない実態があるようです。
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以上、いろいろな観点からお聞きしましたが、それでも聞き足りないほど気掛かりなことが多くあります。
今回市の方では現時点の渋滞対策をまとめて頂きましたが、ここまでで示されている対策では、どこまで車の市街地への乗り入れを減らせて、渋滞抑制効果を出せるのかは不透明なままです。
市長の所信でも具体的対策をまとめていくことは喫緊の課題とされていますので、わたしはこれから、車を減らす次世代交通政策として
・バスの電子切符
・バスロケーションシステム
・docomoやSoftBankで実施しているコミュニティサイクル
などの早期導入を訴え、
・渋滞が深刻になる開店直後とイベントの時にどう対応するか
・渋滞想定や対策、そのために市が動いていることについて市民に積極的に情報公開していくこと
などを、最後まで諦めずに、調査し、取り上げていきます。
それでは今日はこの辺りで。
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