豪雨・地震による浸水・土砂災害の発生に備えて。事前にどんな対策をしておき、命を守るためにどのように行動すればいいのか。
こんばんは。最年少松本市議会議員の青木たかしです。
豪雨、台風、地震など、災害が多発する平成最後の夏でした。亡くなられた方、被害に遭われた方には心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
防災に対して改めて関心が高まる中、先日、松本で開催されたNPO団体による自主防災組織の研究会にも参加しています。
地震の可能性が高まっていることや、想定外の豪雨災害が全国的に発生していることからも、松本市でも防災対策は喫緊の課題です。本日は、松本市主催の市民防災研修に参加してきました。そこで共有されたことを中心に、知っておいて頂きたい内容をまとめてみたいと思います。
1,ふだん、どんな準備をしておけばいい?
(1)ハザードマップを見て地域の特性を知る
備蓄品を用意することも大事ですが、災害が起きた時に安全に避難するためには、災害が起きる前に、家族と一緒に地域の危険箇所を確認することが重要です。
自宅や職場、学校がどのような場所にあるのか、そこには洪水や土砂災害の危険があるかについて確認します。確認するためには、ハザードマップを活用します。ハザードマップは29年4月に広報まつもとと一緒に全世帯に配布されていて、ネットでも閲覧可能です。すべての地区のハザードマップが用意されているので、一度はぜひ確認をしてください。
そこには、
・河川が氾濫したら、何m浸水するのか
・土砂災害が起こる可能性がある場所か
といったことを確認することができます。
松本市ハザードマップ
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/hazard/index.html
(2)指定避難所、指定緊急避難所の場所を確認する
自分の普段生活する地域の避難所の場所を覚えておきます。避難所には3種類ありますが、混同しやすいので、改めて整理します。
・町会一時集合場所(町会が指定)
地震などの災害時にまず集合して、町会内で安否を点呼して確認する場所。ここで安否確認して、安否不明者救助に活用します。
・指定緊急避難場所(市が指定)
災害の危険から、命を守るために緊急的に避難する場所。公共施設が指定されていますが、避難生活をするための場所ではありません。自宅の安全が確認されれば、その後帰宅することになります。
・指定避難所(市が指定)
自宅が倒壊などして生活できない場合に一定期間滞在する建物。158ヶ所あり、ここには避難物資も供給されていきます。
ハザードマップには避難所の記載もありますが、
(洪)=洪水のときも使える
(土)=土砂災害のときも使える
というマークに注意してください。
(3)実際に避難路を確認する
避難所、避難場所までのルートを、ハザードマップを持って歩いてみましょう。その中で、道が壊れていたり、照明がなかったり、危ないなと思った箇所があれば、事前に市や町会に相談して対策を取るようにします。土砂災害、洪水がおこった場合のことも想定して、危険箇所を確認しておきます。また、災害時に避難所へたどり着けない可能性もあるため、避難所以外でも、避難できる場所があるか確認することも重要です。
(4)災害時要援護者登録制度について
災害時に自分の力で避難できない、障碍者、高齢者の方は絶対に登録が必要です!
情報は自主防災会や消防団に公開され、対応してもらえることが期待できます。隣近所にも相談し、情報を共有しておきましょう。
また、避難時の持ち出し品をまとめておくようにしておきます。(常備薬、補聴器、メガネ、おくすり手帳)
制度について、詳しくはこちらの記事にまとめてあります。
2,災害を予測した情報収集を!
(1)台風や長雨が原因の土砂災害、洪水はある程度予測できます
台風、梅雨前線、秋雨前線などは予測できる情報です。長雨が3日も続いたり、大型台風が直撃する場合は、気象情報の確認をします。
○大雨の気象情報の種類
・大雨注意報:災害が起こる恐れのあるときに注意や警戒を呼びかけるもの
・大雨警報:重大な災害が起こる恐れがある時に注意や警戒をよびかけるもの
・記録的短時間大雨情報:今の降雨がその地域にとって災害の発生につながるような、稀にしか観測しない雨量である時に発表するもの
・土砂災害警戒情報:大雨による土砂災害の危険が高まったとき、住民の自主避難の参考等にしてもらうために発表するもの
・特別警報:数十年に一度しかないような非常に危険な状況にあり、ただちに命を守るための行動を取る等、最大限の警戒を呼びかけるため発表するもの
(2)インターネットで情報収集を
長野県河川砂防情報ステーション、気象庁のホームページ、ウェザーニュース、ウェザーマップなどで、事前にいろいろな気象予報を確認することができます。
(3)市の情報発信をつかむ
・防災行政無線
聞き取れなかった場合、 0263−36−8686 で同じ内容を聞くことができます。
・まつもと安心ネット
・テレビ、ラジオ
・市ホームページ、Twitter
・緊急速報メール(エリアメール)
・町会長、民生児童委員との電話連絡
・広報車
3,実際に災害の危険が迫ったら、早めに避難する!
市から発令される避難情報は、次の順番で危険度が上がります。
・避難情報・高齢者等避難開始
・避難勧告
・避難指示(緊急)
それぞれの場合に、どのような行動が必要なのか見ていきます。
(1)避難準備、高齢者等避難開始が発令されたら・・・
自宅が、浸水想定区域、土砂災害警戒区域の方で高齢者や乳幼児など避難行動に時間がかかる場合は、避難を開始します。
それ以外の方は、いつでも避難できるよう準備を始めます。避難される方のお手伝いもお願いします。
市からの発令は、
・避難情報を発令する対象は町会単位
・避難準備、高齢者等避難開始を発令する場合、避難先の避難所を指定して発令する
・対象町会に要配慮者施設があれば、直接市が電話連絡する
ということとなっています。
(2)避難勧告が発令されたら・・・
・町会対象者全員が避難をします。隣近所で声を掛け合って避難します。
・地下空間にいる場合は、すぐに安全な場所に出て避難します。
(3)避難指示(緊急)が発令されたら・・・
・まだ避難していなければ、すぐに避難します
・避難所までたどり着けない場合は、近くのより安全な建物へ避難します
・外へ出たほうが危険な状況の場合は、室内の少しでも安全な場所へ移動します
たとえば、2階以上に行ったり(垂直避難)、崩落可能性のある崖の反対側の部屋に移動(室内安全確保)といった具合です。
(4)避難情報が出ていなくても・・・
局地的なゲリラ豪雨の場合、市からの情報が間に合わない場合があります。情報が出ていなくても、身の危険を感じる場合は、自分の判断で安全な場所へ避難してください。
土砂災害は前兆現象が見られることがあります。次のような前兆現象があれば、避難勧告が出ていなくても、安全な場所へ避難してください。
・流水や湧水の異常な濁り
・地鳴り
・水位の急激な減少
・斜面の亀裂の発生
・小石がぱらぱら落下
※河川の増水状況は絶対に見に行かない!
過去の土砂災害や洪水の多くは、夜間に発生しています。夜間に雨が強くなる予報が出されている場合は、明るいうちに安全な場所へ避難しましょう。これらは、危険なその瞬間に危険な場所にいなければ人的被害は防ぐことができます。今夜の危険を回避しましょう。
以上です。日頃の備えと、情報収集と、早めの避難が重要ということでした。ハザードマップ確認は、災害時に初めて見るということでは間に合いません。ぜひ、今の段階で確認していただくことをお願いします。また、実際に災害が迫るようなときがあった場合に、ぜひこの記事を読み返していただければ幸いです。
最後に、こんなシミュレーションが紹介されてました。
〜〜〜
一昨日から大雨が続いて、松本地方に「大雨洪水警報」「土砂災害警戒情報」が発表されています。市から出されていた「避難準備・高齢者等避難開始」が先程「避難勧告」に変わりました。
あなたの家は、土砂災害警戒区域内にありますが、ここに住んで60年、災害が発生したことは一度もありません。
過去に3回「避難勧告」が出たことは有りましたが、いずれも被害は何もありませんでした。
裏の沢の音が、いつになく大きく聞こえます。現在午後5時、あたりは暗くなりかけています。
あなたは、避難しますか?判断するのは、あなたです。
〜〜〜
以下、会場にあった防災グッズの画像です。
市で備蓄を進める段ボールベッド。寝る場所はしっかり広さと硬さが有り、安定しています。
防災トイレ。備蓄もありますが、家庭での積極的な備蓄をおすすめします!
着替えなどができるプライベートテント
備蓄食料
備蓄についても、避難所の生活についても、様々な課題が山積しています。これからこういった点をさらに議会で取り上げながら、市民の命を守るための安心・安全なまちづくりに私も尽力していきたいと思います。
それでは、また明日。
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