日本の主要活断層の中で、松本地域の地震発生確率は1位に。避難所運営の課題について。
こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。
今日は松原で避難所運営の出前講座が開催されていたので、そちらに参加してきました。
政府の地震調査委員会公表数値によると、明科から松本、塩尻、茅野を走る「糸魚川−静岡構造線断層帯」は、30年以内に発生する確率が13〜30%となっており、日本にある主要活断層の中で発生確率1位となっています。想定される地震規模はM7.6程度。
最近公表された数値で1位となったのですが、これは統計の取り方が変わったことによるもので、以前よりもリスクが高まったということではないようです。ただし、地震発生確率の高いエリアであることには変わりはないので、その備えは万全を期したものとしなければいけません。
大規模地震が起きた際の被害想定は、県による「第3次長野県地震被害想定調査報告書」にまとめられています。
最大震度7が想定されている「糸魚川−静岡構造線断層帯(全体)」の地震が発生した場合、24万人の松本市において想定されている被害は次のとおりです。
死者 1,190人
負傷者 7,260人
建物の全壊・焼失 24,220棟
家屋の半壊 19,940棟
最大避難者数 88,880人
この最大避難者数のうち、松本市では半数にあたる44,440人が避難所で避難生活を送ると想定していて、人口比では18.5%にあたります。
そこで、その避難者数を収容できるだけの避難所を各地区に用意する必要があるのですが、各地区の人口にこの18.5%をかければ、指定避難所の必要な収容人数が出てきます。
松原地区で言えば、こちらの画像の通り553人が想定される避難者数です。1人あたり3㎡が基準となっているので、松原の指定避難所である明善中学校1,980㎡では、660人が収容可能であり、県想定分は確保できていることになります。ちなみに、3㎡確保できていない地域がいくつかあるのですが、それは改めて書きたいと思います。
この避難所ですが、平成28年に起きた熊本地震では、松本市の職員が派遣されていて、その時の教訓として次の項目を持ち帰っています。
・市役所庁舎が壊れてはならない
・市役所庁舎を避難所にしてはいけない
・支援物資集積拠点を早急に確保する
・物資を滞留させずに迅速に避難者へ
・避難所は住民主体で運営する
・要援護者は福祉避難所へ
・車中泊に対応した態勢を整える
・在宅避難生活ができる態勢づくりとして、自宅の耐震化と生活必需品の備蓄
・支援を受ける準備として、受援計画を策定する
特に、避難所については、次のような実態・課題が挙げられました。
・足の踏み場がないほどの混雑
・避難所の倒壊によって、避難所の絶対量が不足
・早い者勝ちで場所を占有
・公共用スペースも取れない
・土足状態
・仮設トイレが男女混在で、女性には悪環境
・雑魚寝となることから、いびきや徘徊、泣き声、独り言が気になる
・支援が必要な高齢者、要介護者、障害者、幼児も混在
・運営が行政任せ
・窃盗、猥褻、性犯罪が発生
・屋内飼育のペット連れ
これらの対策として、松本市では
・ダンボールベッドの配備
・避難所を住民主体で運営する運営委員会の設置
・車中泊を想定した支援策
・受援計画の策定
・要援護者を受け入れる福祉避難所の用意
・物資集積拠点を平瀬口に整備
・各小中学校への備蓄倉庫設置
などといった対策を進めています。
予算付の詳細はこちら。
一方で、避難所を住民で運営する避難所運営委員会が、156箇所のうち78箇所しか立ち上がっておらず、避難所担当職員(市職員)の業務認識を確立し、体制を整えていくことが課題です。
さらに、住民の自治意識を高めて、防災リーダーを育成することや、避難所・地区・地域ごとの温度差を解消すること、要援護者の対応や避難所の鍵を誰が管理するかといったことも行政の課題意識として示されました。
各地域で災害時のルールを事前に決めておく必要があり、その推進を図る行政の取り組みが、その後の質疑の中でも望まれていました。
最後に、災害情報をメールで受信できる「松本安心ネット」の登録もご検討下さい。
■
5月12日のフードドライブはみなさんのご協力で無事達成することができました。ありがとうございました!
5月14日付け市民タイムス
それでは、また明日。
■
SNSの登録をお願いします。
twitter@aoki1230
Facebook青木たかし
Facebookページ青木 崇