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熊本城修復に20年。松本城の地震対策は?

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。
近頃の緊迫した北朝鮮情勢にメディアの注目が集まっているところですが、昨年の熊本地震から、これで一年が経ったことになります。
この大地震の直後、市民の間では備蓄品の購入が進み、松本市でも、地震の対策が急速に進みました。
その一部を紹介すると、
・避難所生活の負担を大きく軽減させる、ダンボールベッドの備蓄
・長年の懸案事項であった、災害支援物資を集積する拠点の決定(熊本地震では、県庁に物資が山積みとなっていた)
・熊本地震でも問題となった、国や他自治体からの災害支援受け入れの計画策定(受援計画)について、松本市議会から提言(5月予定)
防災トイレの自宅備蓄支援について、松本市議会から提言(5月予定)
車中泊について、冷暖房ができる、鍵をかけられる、プライバシーを守れることから、その公的支援についての検討開始
などなど。
18日の松本市議会総務委員会では、車中泊や仮設住宅の候補地を盛り込んだ地域防災計画の見直しが協議に諮られ、承認されました。

松本市議会でも、地震直後の28年6月議会以降、大半の議員が松本の地震対策について質問をしています。
あらゆる角度からの検証が行われていたため、私は、崩落した熊本城の様子をもとに、私達の松本城の地震対策は大丈夫なのか、9月議会で一般質問をしています。
主な内容は次のようなものです。
1,松本城天守内の観光客の避難誘導をどうするか

熊本地震が発生したのは夜間であったため、発災時の熊本城内に観光客はいませんでした。
しかし、これが日中、しかも観光シーズンであったとすれば、人的な被害が発生してた可能性があります
これは28年9月の補正予算に計上されていた内容であり、この点は現在避難誘導計画を策定中とのことです。
2,松本城石垣の崩落対策はどうなっているか

熊本城の石垣は多くが崩落してしまいました。
テレビで見られたかと思いますが、今、あの修復をする上でひとつ問題が発生しているようです。
かねてより文化庁は、全国の城郭保有自治体に対し、「石垣カルテ」の作成を求めています。
「石垣カルテ」とは、石垣の積み上げ方について、内部まで細かくデータを調査した、石垣の設計図のようなものです。
姫路城では、この数年の間に900箇所以上についてこの石垣カルテを作成しており、実は、この熊本城も、昨年度作成予定であったとのことです。
しかし、着手直前に今回の地震で崩落してしまったため、現在残っている平面写真を使い、内部を一部推測しながら復元する必要があるとのこと。
これには、人手、コスト、時間、そして技術を余計に費やすことになるそうです。
ここで松本城の状況について調べてみると、この石垣カルテについては作成をしていないとのことでした。
そこで、28年9月議会で、次世代に松本城の文化財的価値を残すため、その作成について一般質問で提案
市からは作成する方向で検討するとの答弁をいただきました。
このほか、天守の耐震化についても、市ではすでに取組を始めているところですが、その点はまた改めて取り上げます。

地震が起きた直後は、行政も市民も、躍起になって地震対策に取り組みますが、時間の経過とともにその関心が薄れてしまう傾向にあります。
東日本大震災、松本地震の後も同様です。
今、松本市における大規模地震発生確率は全国1位といわれています。
地震対策は、松本市の重要課題のひとつと認識して、常にその対策を模索していきたいと思います。
それでは今日はここまでで。