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松本市のふるさと納税、年8000万の赤字

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。
ふるさと納税の返礼品に関する記事が、連日新聞で取り上げられています。


Twitterにも書きましたが、松本市のふるさと納税の現状について今回は触れたいと思います。
1,松本市の赤字額が8000万円に・・・
松本市のふるさと納税について、平成27年度1年間の実績が明らかになっています。
市外の方が松本市にふるさと納税で寄附をしてくれた額は800万円でした。
この際、松本市の返礼品には10万円以上の高額寄附に対する返礼品がなかったため、寄付額を増やすために、ここに高価な松本民芸家具を設定。
松本市のふるさと納税返礼品
https://www.furusato-tax.jp/japan/prefecture/20202
すると、平成28年度には2000万円ほどのふるさと納税による寄附が集まりました。
ここだけ見ると順調に寄付額が推移しているように見えますが、これと並行して、松本市民も同じように外の自治体にふるさと納税をしています
このふるさと納税は、所得に応じて一定の額まで、住んでいる自治体からの税控除が受けられます。
これによって、住んでいる自治体から応援したい自治体に、自分の税金を選択して納めることが実質的にできるようになるものです。
松本市におけるこの税控除の額が、平成27年度は8800万円でした。
寄付額と比べると、桁が一つ違いますね・・・。
外からの寄付額と、この税控除額の差し引きを、ふるさと納税における収支と表現するのであれば、松本市は8000万円の赤字を出していることになります
これは平成27年度の単年の数字であり、平成28年度の税控除額が気になるところですが、この数字はもう少し経たないと確定値が出てきません。
しかし、先程寄付額が800万円から2000万円となっていましたが、全国的なふるさと納税の総額が、27年から28年にかけて2倍以上となっているようで、先程の税控除額8800万円が、どこまで拡大してしまっているのか、注目されるところです。
2,過熱する返礼品合戦に巻き込まれた面も
今月の4月1日付で、総務省から次のような通知がありました。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/file/20160404_01.pdf
寄付額における返礼品の原価を3割以下に抑えることや、家具、家電、パソコンのような転売ができるものを返礼品からなくすよう求めるものです。
例えば、1万円の寄付に対して、その返礼品の原価を3000円以下にするということになります。
これまで、全国ではこの返礼品の原価率(還元率とよばれています)が3割以上とする自治体が多くありました。
私の調べた範囲では、還元率が100%以上の自治体もあったのですが、これは市の宣伝費用と考えて運用をしている結果ということのようです。
また、返礼品にダイソンの掃除機やiPad、ノートパソコンなど、資産価値が高いと言われるものを取り揃えている自治体も多くあります。
県内でもそういった自治体があり、周辺自治体からの寄附がそこに集中するといった、近隣自治体間での都市間競争が起こっていることも指摘されています。
そもそもの制度自身の設計について異論が唱えられる中、私は、松本市のふるさと納税の運用については、今生じている赤字額を減らす取り組みをする必要があると考えています。
そのために工夫できることについて、返礼品の還元率を上げる以外にも方法があるのではないかと思いますので、次回以降でその点触れていきたいと思います。
それでは今日はここまでで。