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必要性か、安全確保か、議会で認めてきた責任か。総務委員会で、17億8千万円の四賀運動広場改修に関わる補正予算が可決。

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。
昨日から、今日の委員会について調査と検討を重ねていましたが、委員会が終わって、今、かなり悩んでいます…。
まず、これまでの経過については、昨日の記事か、こちらの私の質問の録画配信でご確認ください。


今回は、質問やそれに対する市の受け答えがどういった状況であったのか、動画でぜひ見ていただきたいと思います。

2018/06/15

今日の総務委員会で、四賀運動広場改修にかかる一部経費の補正予算が諮られました。5人賛成、1人保留、1人反対で、委員会審査では原案可決に。
来週21日には議場で採決があるので、そこで全31人の議員が、この補正予算案に賛成するか反対するかを表明することになります。
今回出てきた新情報として
・当初のグラウンド規模で改修をすれば、工事解約の違約金も含めて10億円くらいの総工費と見込む
・当初のグラウンド規模で改修をすれば、工期が同等かそれ以上伸びる可能性がある
・ボーリング調査の数が不足していたことで地盤の支持力不足がわからなかったが、当初はボーリング調査を2〜3本多く要求していた
などがあり、当会派の川久保議員から
・これらの検証と判断を今この場ですることができない
・「議会で認めてきた」というが、ボーリング調査が十分事前にされていて、これだけの総工費が事前にわかっていれば議会の態度も変わっていた可能性がある
・必要性よりも手続き論が先行して、市民説明ができない
といったことを理由に、態度を保留するということになりました。この1週間をかけて、新情報の根拠や、2100人規模の四賀運動広場を作ることが本当に市民益になるのかという点、そして、賛成する場合には議員として責任持って判断できるかを検証します。

完成イメージ図
1,今、立ち止まるとどれくらいの費用がかかるのか
委員会で最初に質問があったのが、今、仮に立ち止まって、規模をもとのグラウンド規模に見直した場合にどれくらいの費用がかかるのかという点。
これまでに3億円払って造成までを終わらせていて、仮にもとのグラウンド規模で改修する場合は、計10億円の費用で建設できる見込みであると示されました。17億8千万円と比較すれば、ある程度の差があります。
さらに、グラウンド規模とした場合の工期については、今の予定と同程度か、それより伸びてしまう見込みとされました。
これらの根拠が委員会では説明されなかったので、来週調査をしないといけません。
2,「議会で認めてきた」は正しいのか?
次に、ボーリング調査の不足について議論され、スタンド席に3箇所、外野席に4箇所実施したそうですが、当初の概算要求では2〜3本多く調査をするつもりであったこともわかりました。この土地には沢筋があって、地盤の懸念もあった中、この調査がしっかりとされていれば、工事が始まってから地盤の支持力不足がわかるといったことも起きなかったかもしれません。
そして、今の17億という総工費が工事前にわかっていれば、議会としても結論が変わっていた可能性もあります。そうであれば、ボーリング調査不足の情報であったにも関わらず「議会として認めてきた」ということは成立しないのではないかという意見が出されています。
3,議員として、安全保証が第一。何かあれば議員辞職という覚悟も
そして、複数の議員から懸念されたのが、安全性の確保についてです。今回2100人規模をこの軟弱地盤に建設するためには、そのスタンドを支えるための杭打ち基礎工事が必要であり、それで経費が増大することとなっています。
杭打ちを要する地盤であり、しかも、駐車場の一部が土砂災害警戒区域にかかっている上、この地を通る沢筋の下流には住宅も何軒かあるようで、この軟弱地盤にコンクリートの構造物を建設したことで、地盤にどんな影響があるのか、土砂災害等による被害が出ないのかを懸念する意見がありました。
さらに、構造物は震度5強までは耐えられるということですが、それ以上の地震があった場合に、支持基盤が傾斜している地に建つこのコンクリートの構造物が、想定外の被害を生じさせたりはしないのか、確証がもてません。
しかも、今回総工費をなるべく圧縮することを前提に委員会で了承しているため、総工費圧縮と安全対策が両立できるのかといったことも懸念されます。
結局、今回議会でこれを認めれば、万が一被害があった場合に、この軟弱地盤に建設することを認めた議会にその責任が生じます。その責任の重大さに、ある議員からは「議員辞職も考えた」という発言も。
市は「安全性は問題なし」と答弁しましたが、その根拠が示されませんでした。議員として、今の状況で責任ある判断ができるのでしょうか。
4,「議会でこれまで認めてきた」という責任がある
これまでの意見の他に、
・総工費を圧縮するということの根拠がない
・工事費の内訳がわからない
四賀にこの規模の球場を作ってよかったと、多くの市民に思ってもらえるような取り組みがわかるようにしてほしい
市民に説明責任が果たせるような資料を提供してほしい
・どういう意思決定でこのような規模で作ることになったのか、それがわかる資料を提供してほしい
といった指摘がされました。一方で、総務委員会の賛成意見の中では、「議会でこれまで認めてきた経緯を踏まえれば、認めるべきだ」という議論が多く出され、他にも
・今回の総工費増は安全確保のための投資
・この規模のものを作るからには、交通事故など起きないようにその周辺整備も総合的に対策を取ってほしい
・草野球をするようなグラウンド程度の規模の施設を作るというのは、今の時代にそぐわない
・経費削減がすべてではない
・スポーツ振興の観点から、将来のこどもが使える施設を
・これまで議会として了承してきている経過がある
といった意見が出されています。
5,あらためて、必要性は?
私の一般質問に対する答弁が抽象的であったことを踏まえて、あらためてその2100人規模の必要性も問われました。
市からは、
もともとこの地にあった四賀運動広場を整備する段階で、そのまま改修するか、高機能化をするかを議論する中で、機能を充実して、高校野球中信地区大会を呼べる球場を作って、満杯になっている市営球場を補完しながら各種大会を誘致・開催できるようにする。そうすることで、青少年健全育成やスポーツ振興に貢献することができるようになるので、思い切って2100人規模とした。それ以外にも、実際どんなメリットがあるかは推測になるが、浅間の市営球場と四賀運動広場を2会場として開催できる大会を他にも誘致でき、その効果は非常に大きいと考えている。
とされました。
6,可決され、付帯意見をつけることに
1時間半の議論の末、冒頭の通り、5:1:1で賛成多数で可決されましたが、
・土地選定した際に若干の間違いが生じて今日の結果につながっている
・事前の地盤調査や施工管理、原価管理、安全管理を今後に向けて一層取り組むこと
・単なるグラウンド改修事業が、大規模スタジアム建設となったことについて、庁内で検討された文書を明らかにしてほしい
といった付帯意見をつけることを求める意見が出され、総務委員会は終了しました。
このあと、21日の閉会日に採決があり、この委員会での可決を参考として、全議員が賛否を表明することとなります。
それまでに、グラウンド形式のままで改修した場合の総工費と工期の根拠や、その場合の財源、そして安全性の担保について、もうしばらく調査を重ねたいと思います。また、この件に関するご意見をお聞かせください。
それでは、また明日。

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