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開かれた市政に向けて改革を。有識者会議の「実質公開」は2割にとどまる。

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。
本日のテーマは、開かれた市政を目指して平成30年2月議会にて質問をした、有識者会議公開の原則についてです。松本市では、教育委員会内でいつの間にか変更された内規が原因で、例年開催されていた松本城公園のビアフェスが中止に追い込まれてしまうという事件が29年に発生しました。

2017/08/02
2017/08/25

このときに問題になったのが、市民も議会も知らない間に、非公開の場で内規の変更という意思決定が行われていたこと。このときの混乱を教訓に、同じような問題の発生を防ぐため、松本市の条例や内規をこれまで調査してきました。その中で是正を求めてきたものが、寄附募集に関する条例の廃止(下記記事参照)と、今回の有識者会議の公開原則についてです。

2017/04/18

この有識者会議(附属機関ともいいます)というものは、自治体が政策決定をする際に、〇〇審議会・協議会などの名称で、大学教授などの専門家が委員になって政策について諮問をする会議体のことを指していて、松本市にはおよそ130の会議体が設置されています。そして、「松本市附属機関等の設置等に関する要綱」という市の定めた規定によって、そのあり方が定められています。第1条の趣旨を引用します。

第1条 この要綱は、市民本位の公正で透明性のある市政推進のため、附属機関及び協議会等(以下「附属機関等」という。)の設置及び運営に関し基本とする指針を定めることを旨とする。

松本市附属機関等の設置等に関する要綱より引用
ここにある「透明性ある市政推進」を確保するために、第5条ではその公開原則について次のように定めています。

第5条 法令、条例等に定めがある場合を除き、附属機関等の会議(以下「会議」という。)は原則として傍聴を認めることにより公開する。
2 前項の規定に係わらず、附属機関等の長は、当該会議を公開することにより公正かつ円滑な審議に支障が生ずると認められる場合、非公開とする事由を明示の上、会議の全部又は一部を公開しないことができる。
3 会議の開催計画は、広報、市ホームページ又は掲示等により広く市民周知を図ることとし、附属機関等を所管する課長は事前に広報国際課へ必要事項を報告するものとする。
・・・(中略)・・・
7 会議の開催結果については、市民が会議の進行内容を共有できるようその概要を記録した会議録を速やかに作成の上、必要に応じて第3項の例により公表に努めるものとする。

そこで、今回、市の設置する附属機関についてその実態を調査した結果、全面公開となっているのは全体の64.7%、一部公開が16.7%となっており、残りは非公開とされていました(平成30年2月当時)。非公開の理由は、個人情報が含まれるなどがあるようですが、それぞれの明確な理由については今回調査しきれていません。
一方で、公開となっているこれらの会議のうち、事前にその日程や場所が周知されている割合は22.9%であることがわかりました。
その分野に関心のある市民の方がいたとしても実質傍聴不可能となっていて、原則公開の実態に即しているとは言えない状況にあります。
さらに、それらの会議における会議録の作成及び公開についても要綱で定められていましたが、会議録公開の割合は53.0%しかないという実態もありました。比較のため、都政のものを調査した記事があるので引用します。
【地方再考】これが開かれた都政? 有識者会議「傍聴可能」はわずか27% – 産経ニュース https://www.sankei.com/politics/news/151026/plt1510260008-n1.html
傍聴可能が27%、議事録公開が56%であり、それぞれ同じ基準で比較すると、松本市の方が低い数値となっています。開かれた市政を目指すため、これらを要項の公開原則にのっとった形に改革するよう、議会で求めました。それに対する答弁がこちらです。
答弁)本市では、公正で透明性のある市政運営を目指し、附属機関等の設置等に関する要綱により附属機関の設置及び運営に関する指針を定めており、この要綱により附属機関における会議は議員ご案内のとおり原則として公開としており、ホームページへの掲載、報道機関への周知、庁内掲示板への掲示などで事前周知を、また会議結果のホームページへの掲載などを行ってまいりました。
しかしながら、その割合につきましては議員ご指摘のとおり、事前周知、会議録の公表いずれも低い状況でございます。
今後は要綱に基づき、公正で円滑な会議運営、市政運営の透明性の確保を目指し、改めて市ホームページなどへ会議開催の事前掲載を徹底するとともに、個人情報等に配慮しながら、可能な限り会議録についても公表を徹底するなど改善に努めてまいります
以上が答弁です。市としてはその認識を持っていただき、現在ホームページなどで一元化したわかりやすい周知方法を検討していただいているとのこと。早期に実現するよう、今後も求めていきたいと思います。
もうひとつ、同第4条では、次のような規定があります。

第4条 附属機関等の委員(以下「委員」という。)の選任に当たっては、当該附属機関等の設置目的に応じて、次に掲げる事項に留意する。
(1) 附属機関等の市政に対する機能が確保されるよう、広く各界各層から適切な人材を選任することに努めるとともに、附属機関等の性格等から可能な場合は、委員の30%以上を目標に公募制度の積極的な導入を図る。
(2) 女性の積極的な委員登用を行い、一つの附属機関等の女性委員の割合が40%以上となるよう努める。

幅広い市民意見を聴取するため、内規ではこのように市民公募と女性登用を推奨しています。これに対しても調査したところ、
30%以上を努力目標とする市民公募率を満たしている会議体は、全体の20%
40%以上を努力目標とする女性登用率を満たしている会議体は、全体の27.5%
にそれぞれとどまっていました。これらの達成を目指すことについても質問したところ、次の答弁がかえってきました。
答弁)議員ご指摘のとおり、公募委員の割合、女性委員の登用率、いずれも目標を達成できていない状況であることは認識をしております。
公募委員に手を挙げていただくこと、それから会議の性質上、公募及び女性の参画が困難な附属機関等さまざまな原因がございますが、今後は、本市や他の自治体においても効果があらわれております無作為抽出による公募委員の募集手法の拡大などによる公募率の向上や、現在策定中の第4次松本市男女共同参画計画の取り組みとあわせた女性委員の登用を積極的に進め、市政運営に対し幅広く多様なご意見をいただくとともに、各界からの専門的知見も反映できるようバランスをとりながら附属機関の運営に取り組んでまいります。
以上です。こちらについても、それぞれ対応できるように取り組んでいくとの答弁となりました。まだ実質傍聴ができるようになっていないことと、非公開の明確な理由の整理についてはまだ調査が完了していないため、今後それらの点については調査に取り組み、市政がより開かれたものとなるよう議会として求めていきたいと思います。
===実際の質問文と答弁===
青木)続きまして、件名5の要綱につきましてですけれども、初めに、附属機関における原則公開についてでございます。
市の定めております附属機関等の設置等に関する要綱におきましては、附属機関の会議については原則として公開するものとして定められております。しかし、このたび、市の設置する附属機関につきまして私のほうで調査をさせていただいた結果、全面公開となっているのは全体の64.7%、一部公開が16.7%となっており、これらを合わせて81.4%が公開とされていました。ここで非公開となっているものにつきましては、個人情報が含まれるなどの理由があるもののようです。
一方で、先ほどの公開となっている会議のうち、事前にその日程や場所が周知されている割合というものが22.9%と低いということがわかりました。その分野に関心のある市民の方がいたとしても実質傍聴不可能となっており、原則公開の実態に即しているとは言えない状況にあると考えます。
さらに、それらの会議における会議録の作成及び公開についても要綱で定められていますが、会議録公開の割合は53.0%しかないという実態もありました。
開かれた市政とするために要綱に準じてこれらを見直す必要があると考えておりますが、見解をお伺いします。
答)本市では、公正で透明性のある市政運営を目指し、附属機関等の設置等に関する要綱により附属機関の設置及び運営に関する指針を定めており、この要綱により附属機関における会議は議員ご案内のとおり原則として公開としており、ホームページへの掲載、報道機関への周知、庁内掲示板への掲示などで事前周知を、また会議結果のホームページへの掲載などを行ってまいりました。
 しかしながら、その割合につきましては議員ご指摘のとおり、事前周知、会議録の公表いずれも低い状況でございます。
 今後は要綱に基づき、公正で円滑な会議運営、市政運営の透明性の確保を目指し、改めて市ホームページなどへ会議開催の事前掲載を徹底するとともに、個人情報等に配慮しながら、可能な限り会議録についても公表を徹底するなど改善に努めてまいります。
 以上でございます。
青木)実質的な原則公開を徹底していただけるということで、その点ぜひ努めていただきたいと思います。
次に、同要綱におきまして市民公募の割合については3割を努力義務としていますが、こちらも先ほどの調査をした中で、それを満たしているものが全体の20%にとどまっていることもわかりました。さらに、女性の委員登用につきましても4割を努力義務として設定していますが、これについても満たしているものは全体の27.5%となっています。
いずれも達成度合いは低く、行政の透明性、開かれた市政として、また男女共同参画を推進する上におきましてもこれらの要綱に準じた見直しが必要であると考えますが、こちらの点につきましてもその見解をお伺いします。
答)議員ご指摘のとおり、公募委員の割合、女性委員の登用率、いずれも目標を達成できていない状況であることは認識をしております。
公募委員に手を挙げていただくこと、それから会議の性質上、公募及び女性の参画が困難な附属機関等さまざまな原因がございますが、今後は、本市や他の自治体においても効果があらわれております無作為抽出による公募委員の募集手法の拡大などによる公募率の向上や、現在策定中の第4次松本市男女共同参画計画の取り組みとあわせた女性委員の登用を積極的に進め、市政運営に対し幅広く多様なご意見をいただくとともに、各界からの専門的知見も反映できるようバランスをとりながら附属機関の運営に取り組んでまいります。
以上でございます。
青木)答弁をいただきましたが、附属機関の運営に取り組んでいくということですけれども、それは運用を徹底していくということでいいのか、その点がちょっと曖昧なのですが、そのちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、今の点は要綱について具体的に努力義務規定がある中でそれをちゃんと運用の徹底をしていくのかどうかという点について、改めてお聞きします。
答)私の答弁が若干説明不足のところがあったかと思います。
公募委員の割合の3割、それから女性委員の登用率4割こちらが達成できるよう取り組んでいくということでございます。
以上でございます。
青木)わかりました。運用について取り組んでいくということでございましたので、その旨推進していただくようお願いをいたします。
また、答弁の中にもありましたとおり、無作為抽出による市民公募の手法、私もこれは効果的だなと以前から思っておりましたので、ぜひ導入を検討していただきたいと思っております。
一昨年は寄附、募金活動等を規制する金銭物品等の寄附募集に関する条例について質問で取り上げさせていただきまして、こちらも時代の変化とともに実質形骸化をしているということで、その廃止について質問で取り上げさせていただきました。昨年の一件もありまして、私も市の条例や内規を見直すようにしております。改めて市の定めている条例や内規、要綱につきましては、特に市政の方針やあり方に関するものであったり、また市民の活動を規制するようなものにつきましては重点的に改めて精査をしていただきまして、問題や混乱の発生を未然に防げるよう、必要があれば見直しも含めて検討をしていただくことを要望しまして、私の今回の全ての質問を終結とします。ご清聴ありがとうございました。
以上で報告とします。それでは、また明日。

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