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野村総研による松本市の成長可能性6位はどういうこと?何のデータを指標化している?公表されている情報をまとめました。

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。
先日も記事にした野村総研(以下NRI)による成長可能性ランキング。具体的にどんなランク付けがされたかはこちらを御覧ください。

2017/07/07

このランキングに関心がある方も多く、「ポテンシャル6位は具体的にどういうこと?」「何のデータをもとにしたランキングなの?」「何を目的とした調査なの?」など、話題に取り上げる方も多いので、今回はこの調査について現段階で明らかになっていることを整理したいと思います。
内容はこちらで公開されているものです。
ランキングによる都市の持つ「成長可能性」の可視化 ~地方創生の成功の鍵はどこにあるのか~
http://www.nri.com/jp/event/mediaforum/2017/forum255.html
目次
1,世界から外貨を獲得できる自立した都市「ローカルハブ」になれるポテンシャルが松本市は全国6位
2,なぜ地方都市はローカルハブを目指すべきなのか?
3,ローカルハブになるために必要なこと
4,ランキングを作成した目的は、ローカルハブになりうるポテンシャルを持った都市を浮かび上がらせること。
5,どういった指標でランク付けしているのか?
6,松本市の具体的な評価は?
1,世界から外貨を獲得できる自立した都市「ローカルハブ」になれるポテンシャルが松本市は全国6位
地方創生の一つの理想像は、地方都市が、大都市に依存せず、自立して世界とつながって、外貨を獲得できる「ローカルハブ」になること。
各都市が、国内の限られた市場を奪い合うのではなく、自らの強みを活かし、他都市と差別化しながら、地域経済の核である「ローカルハブ」となって世界と結びついていくことができれば、日本が総体として成長していくことができるようになります。
さらに、多様な「ローカルハブ」を育てていくことは、地方創生だけでなく、災害に強い強靭な国土を実現していくことにもつながることから、国は各都市の強みやローカルハブになる (自立する)ポテンシャルを踏まえて、効率的・効果的に投資を行っていくことが必要です。
そこで、今回のNRIのランキングは、海外で成功している「ローカルハブ」の都市事例を参考に、「 産業基盤があり、ビジネスを創出して持続的に成長できる力があるか」のポテンシャルを評価したものとなっているようです。
その評価の視点は、 「多様性を受け入れる風土」、「創業・イノベーションを促す取組」、「多様な産業が根付く基盤」、「人材の充実・多様性」、「都市の暮らしやすさ」、「都市の魅力」の6点。
この評価をもとに、松本市はポテンシャルが6位であるとされました。具体的には、多様性を受け入れる風土や都市の魅力という点が評価されているようです。
2,なぜ地方都市はローカルハブを目指すべきなのか?
都会から地方に戻る意思のある人は約3分の2と多いが、収入や待遇が維持できる仕事があるかどうかがネックとなっています。地方創生を進めるためには、地方に産業を創発し「しごと」を生み出していくことが重要です。
この地方創生に成功しているのがドイツで、 10万人規模なのに、生産性で大都市を凌駕する地方都市が多数存在しているそうです。
その中で生産性の高い都市は「内発発展型」と呼ばれていて、その地域に進出したグローバル企業と地元企業が結びついて、世界から外貨を稼ぎ、地域経済を牽引することができているとのこと。
地方は大都市に人材を供給し、財政支援を受ける「大都市依存型」の構造にありますが、今後は、大都市から自立して地域を牽引する「ローカルハブ」を目指すべきであるとしています。
3,ローカルハブになるために必要なこと
地域で人材・企業を育成し、 世界で勝負できる商品を輸出することができればローカルハブとなれます。
そのためには、「大手企業や大学・研究機関の立地」と、それを核とした「ビジネス創出を促す仕組み」、優秀な人材をひきつける「寛容な風土」と「都市の魅力」の存在が必要です。
「大手企業や大学・研究機関の立地」については、ドイツのローカルハブであるレーゲンスブルク市は、 大手企業と中堅企業との共存が最大の成功要因とされています。
アメリカのオースティンやシリコンバレーも、大学や地元の大企業が基盤となって、 スタートアップが創出される「ローカルハブ」となっています。
大手企業がローカルハブに立地する理由は、ローカルハブの持つ資源(良質な人材、先端的な研究開発成果等)を活用し、事業の競争力を高められることにあり、そこをいかにアピールできるかが重要です。
また、新たな産業を創出するためには、クリエイティブな人材が住み、働きたいと思えるような 魅力的な都市づくりが必要であり、その際の重要な視点が「都市の寛容度・多様性」です。
ポートランドやシアトルは、生活の質の高さや自由な雰囲気にひかれて若い優秀な人材が集まり、それが企業集積を生んでいます。人に選ばれるまちが企業もひきつけることになっているようです。
4,ランキングを作成した目的は、ローカルハブになりうるポテンシャルを持った都市を浮かび上がらせること。
国内都市の産業創発力の現状と将来のポテンシャルを可視化し、「ローカルハブ」になりうるポテンシャルを持った都市を浮かび上がらせることを目的としたランキングとなっているようです。
これが可視化されることで、地方都市がローカルハブになっていくために、 「何が足りないのか」「今後何をやっていくべきか」がわかりやすくなります。さらに、国内外の投資家に対して、投資するに値する都市かどうか、産業が定着・発展する土壌があるかどうかを提示するという意味合いもあるようです。
5,どういった指標でランク付けしているのか?
各都市の産業創発力を、「多様性を受け入れる風土」、「創業・イノベーションを促す取組」、「多様な産業が根付く基盤」、「人材の充実・多様性」、「都市の暮らしやすさ」、「都市の魅力」の6つの視点と、131の指標を用いて評価しているようです。この評価では、ビジネス環境の充実だけではなく、暮らしやすさなど働く人や起業家が幸福を感じられる環境も重視をしてのことだそうです。ちなみに、この131の指標は、各統計データに基いているので、詳細は冒頭のURLからPDFファイルを御覧ください。
この中で情緒的な項目については、住人にウェブアンケートを行い、それを指標化しているそうです。
この評価をもとに、ローカルハブになる可能性を秘めた成長可能性都市は、福岡市、鹿児島市、つくば市、松山市、久留米市などが挙げられることとなりました。
中でも、福岡市は、産業創発力を構成するすべての要素をバランスよく満たしているとされました。これまでは、産業集積が乏しい支店経済のまちであったものの、全国最高評価の「都市の魅力」をはじめ、持てる強みを活かしてビジネスを創出し、東京・大阪・名古屋に次ぐ第4の都市圏として成長していくことが期待されると評されました。
そして、鹿児島市、久留米市、松本市、佐世保市など、一見、産業創発というイメージが乏しい都市が、 都市の魅力や多様性への寛容度等の面で、高いポテンシャルを有していて、この強みを、企業・人材の誘致、ビジネスの創出につなげていく仕組みの構築ができれば成長できるとされました。
6,松本市の具体的な評価は?
移住フェア、相談窓口、空き家バンク、職業斡旋など移住者向けの支援が充実している。多様性への寛容度が高く、地域コミュニティでも受け入れる風土がある。街の綺麗さ、静かさ、景観の美しさ、治安の良さなど安心して暮らせる要素もそろっており、住民からの評価も高い。医療や買い物、飲食が充実し、都市の利便性を享受できる上に、雄大な山々を臨み自然も楽しめる。一方で、弱点である東京や他の都市への移動に時間がかかることをカバーできる魅力を伝えられるかが肝要とされました。
具体的な課題として、ビジネスインフラの充実、教育・人材の充実、移住・外部人材の受入実績、学術面の国際交流、行政基盤の安定性が挙げられていますが、各項目の詳細は公表されている情報ではわからない部分があります。
この詳細な分析はこれから行われるそうですので、松本市のポテンシャルを引き出すために、その公表を待ちましょう!
また新しいことがわかりましたら、ここでお伝えできればと思っています。
それではまた明日。

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