MENU

お知らせ・ブログ

松本市ふるさと納税の平成29年度赤字は1億7千万円に。累積赤字は4億1千万円となり、どこまで膨らむか試算すると…

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

松原地区の三九郎
今日も新年会、三九郎が続いています!本日は棚峰新年会にも出席させていただきました。
さて、今回のテーマは、松本市のふるさと納税の現状についてです。
松本市におけるふるさと納税のこれまでの経過については、こちらを御覧ください。

2017/06/15

税控除が行われるという性質上、その年度の収支は翌年の6月頃に判明します。その収支の状況を一昨年6月に質問したところ、
・松本市は2016年度に、およそ1億3,000万円の収支赤字となっていた
・2016年時点で、累積赤字が2億4千万円となっている
・今後、収支の赤字が拡大すれば財政的にも影響がないとは言えない
といったことを確認し、さらなる赤字拡大を防ぐ取り組みを求めました。そして、その翌年分となる、2017年度分の収支がどうなっているか、注目されていました。
これを2018年度6月議会で質問したのですが、当時四賀野球場のことに力を注いでいたため、ふるさと納税のことをご報告できていなかったので、改めてここでお伝え致します。そうすると、松本市では以下のように、さらに赤字額が拡大していることが確認されました。
・2017年度、松本市に寄せられたふるさと納税額は約2,460万円であった一方、同じ年度に松本市民が行った松本市以外の自治体へのふるさと納税に対する市民税の寄附金控除は、約1億9,480万円で、差額は1億7,020万円となった
・平成20年度の制度開始後10年間の累計額としては、寄せられたふるさと納税額は約6,860万円、寄附金控除額は約4億8,390万円で、その差額は4億1,530万円となっている
以上の答弁から、制度開始以来の累計収支赤字が、2億4,000万円から4億1,000万円になっておりまして、およそ1.7倍程度に膨らんでいることとなります。
毎年制度利用者数が増加する中、このままいくと松本市の収支赤字がいったいいくらまで拡大するのかということが気になりますが、それを推計するひとつの指標として、世田谷区の試算があります。
世田谷区においては、区民が限度額いっぱいまでふるさと納税をした場合の税控除額の上限を、課税者の所得割に20%を掛けることで算出をしました。その額はおよそ200億円であり、現実的にはその半分の100億円ぐらいまで税控除額が膨れ上がるのではないかと世田谷区長が懸念を表明されています。
松本市で同じ計算をした場合、ふるさと納税による税控除額の上限はおよそ27億円と試算されます。世田谷区と同じく現実には半分程度であろうと考えるのであれば、昨年約2億万円弱とされた税控除額は、年額10億円強まで伸びる可能性があると言えます。
また、全国的にふるさと納税利用者の規模が拡大している中で、松本市のふるさと納税の受け入れ件数が昨年より226人、率にして20%以上減少していたということが総務委員会の中でも報告がありました。(高額な制度利用があったため、受け入れ額自体は増加しました。)
以上のことから、まだ控除額の伸びしろがあり、ふるさと納税受け入れ件数も減少している今の状況は重く受け止めなければいけません。
ちなみに、総務省の資料では、「ふるさと納税は地方公共団体がみずから財源を確保し、地域の活性化に向けたさまざまな政策を実現する手段として重要な役割を果たす制度であり、今度、ふるさと納税を行う方の裾野を拡大してさらなる活用を推進する」とされています。また、一定額の寄附を集める自治体が、それらを財源に各種独自施策に取り組んでいる中、今後もこの制度自体がなくなるということは考えづらい状況です。

そこで、前回の質問では、次の4点について提案を行いました。各提案の質問文とその答弁は次のとおりです。
1,初めに、使途の明確化とリピーターの確保についてです。
総務省では、ふるさと納税のさらなる活用に向けた視点としまして、ふるさと納税を行った方に対して政策への意見募集や行事の案内のほか、交流会の開催などの取り組みを実施することを奨励しています。このような寄附者との継続的なつながりを持つ取り組みについて、市の考えを伺います。
また、事例の一つとしましては、横須賀市にて使い方に共感してもらうための具体的な12の基金創設というものを行っています。具体的に子育て支援としての支援ヘルパー派遣事業であったり、遊歩道の整備といったものに充当をしまして、その報告書を郵送するといった取り組みをしているそうです。これによって寄附者のリピーター率は3割にふえまして、受け入れ額も増加傾向とのことでした。特に市内NPO活動の支援基金というものがあることも特徴の一つとなっていまして、民間の活動を支援するふるさと納税の使い方というものが今、全国的にも注目をされているところです。
松本市でも基金積み立てを基本とする現状に鑑みて、このような事業ごとの基金を明確化することから始めてはどうかと考えますが、見解を伺います。
答弁)初めに、寄附者との継続的なつながりに関する取り組み状況でございますが、寄附者に対しましては返礼品のほかに市広報紙を初め、季節に応じたイベント、観光情報など松本市の魅力あるさまざまな情報などをお送りし、ふるさと納税を通じて松本の応援団をふやす取り組みを行っております。こうした取り組みの成果といたしまして、平成29年度の全寄附者815人のうち180人、率にして約22%の方がリピーターとして平成28年度に引き続き寄附をしていただいているところでございます。
続きまして、使途ごとの基金創設のご提案についてでございますが、昨年の6月定例会で青木議員にお答えしましたとおり、松本市は3ガク都や花いっぱいなど他の自治体とは差別化が図れる使途を設定しております。その中でいただいた寄附金は美しいまち松本づくり基金に一本化して積み立てておりますが、使途ごとに寄附金の管理をしていることからも新たに寄附金を創設することにつきましては、現時点では考えてはおりません。
今後、いただきました寄附金につきましては、納税者のお気持ちを大切にした事業への活用を図ることはもちろんのことでございますが、活用状況をホームページ等で報告するなどふるさと納税先として松本市を選んでもらえるよう、積極的にPRを行ってまいりたいと考えております。
2,ガバメントクラウドファンディングについてです。
これは地域課題解決のため、全国の方にインターネットを通じて寄附を呼びかける取り組みで、昨日、中島議員も触れられておりまして、狙いや思いの部分は全く重複いたしますので、市の積極的な取り組みをあわせて求めるとともに、私はふるさと納税の観点でお聞きしたいと思います。
総務省によりますと、ふるさと納税の使いみちを地域の実情に応じて工夫し、事業の趣旨や内容、成果をできる限り明確化することが奨励をされていまして、具体例としてクラウドファンディングなどで文化財の保護修復や児童生徒のための図書の購入、子供たちへの食事の宅配など事業の趣旨や内容をわかりやすく示してふるさと納税を募集することが示されています。総務省にふるさと納税による収支赤字を解消するための対策について、個人的に問い合わせてみましたところ、返礼品以外では寄附金が集まらないからとあきらめるのではなく、地域の実情に応じた地域課題をストーリー化して全国に効果的にPRすることで、寄附を集める工夫を検討してほしいと答えをいただきました。
こういった中、松本市で取り組む上で最も効果的であるテーマと言えば、やはり松本城の保存整備にかかわるクラウドファンディングではないかと考えます。松本市出身者や松本城ファンに訴求力が高く、全国的なPRにもつながるこの松本城保存整備に関するガバメントクラウドファンディングにつきまして、先ほど取り上げた松本城の財源確保策に関する答弁でも市民などからの寄附を集める考えがあるとされておりましたが、この取り組みに対する市の見解を伺います。
答弁)国宝松本城の保存整備につきましては、耐震補強を初めお堀のしゅんせつ工事などの必要な整備について、現在、教育委員会で具体的な整備計画を検討している状況でございます。また、その財源につきましては、松本城施設整備基金として平成29年度末現在で約12億3,900万円を積み立てており、整備計画に応じて基金を取り崩し活用することとしております。
こうした状況の中、議員ご提案の国宝松本城の保存整備の財源確保にガバメントクラウドファンディングを活用することについてでございますが、寄附金の募集期間や目標金額の設定等が必要なこともありまして、整備計画が検討中の現時点では導入することは考えておりません。
なお、昨日の中島議員のご質問にお答えしたとおり、ガバメントクラウドファンディングは新たな財源確保の手法の一つであること、また、自治体のPRに有効な手段であることは十分に認識しておりますので、今後、国・県や他都市の動向を注視しながら、議員ご提案の国宝松本城の保存整備を含めた事業への活用について研究を進めてまいります。
3,総務省ではガバメントクラウドファンディング型ふるさと納税の使いみちとして、起業家支援と移住促進事業を設定することを推進をしています。これらは起業にかかわる資金を集めたり、移住にかかわる空き家の改修費用を集めるのにふるさと納税を使うといったものでありまして、これらを自治体で実施した場合、特別交付税による措置が受けられ、事業実施にかかわるその他の支援も検討するとされています。
問い合わせてみたところ、数十にとどまらない自治体が今年度から実施予定であると聞いておりますが、松本市の現状を踏まえまして国の支援を受けられる起業家支援、移住促進の使途設定が第一歩として有効と考えますが、見解を伺います。
答弁)昨日の中島議員への答弁でも一部お答えをしておりますが、本年度から民間事業者主導による地域課題の解決につながる事業を行政が支援するという、行政と民間事業者の新たな協働の形でクラウドファンディング活用促進事業を実施する予定としております。松本市といたしましては、まずはこの事業の成果を踏まえた上で民間事業者のニーズに応えていきたいと考えております。
しかしながら、議員ご提案の総務省が推進いたしますプロジェクトにつきましては、地域課題の解決につながる有効な施策と考えますので、国や他都市等の取り組み状況を注視しながら研究をしてまいりたいと考えております。
4,ふるさと納税のPRについてです。
多くの寄附額を集める自治体ではPRにも注力をしています。当然のことですけれども、全国にあまたとある自治体の中から寄附先として選んでもらうためには、まずは知ってもらわないことにはその選択肢にも入ることができません。松本市では、ふるさと納税の紹介をするインターネット上のポータルサイトとして「ふるさとチョイス」のみを使用しておりますけれども、昨今では返礼品競争を抑制する総務省通知を踏まえ、多くのポータルサイトが返礼品特化のあり方を見直してきているところです。松本市でも複数のポータルサイトを使うなど、今後の積極的なPR強化についてどのように考えているか、見解を伺います。
答弁)ふるさと納税の返礼品の取り扱いにつきましては、先ほど議員からご紹介がありましたが、松本市は制度開始から一貫してふるさとを応援するといった本来の趣旨に沿った取り組みを行っております。このような中、寄附額が寄附金控除額を大きく下回るといった現状において、議員ご提案のとおり、寄附の獲得や松本の応援団をふやす取り組みとして「ふるさとチョイス」以外のポータルサイトへ掲載することについては寄附者の選択肢を広げるとともに、幅広く松本市のPRを行うための効果的な手段の一つであると考えております。
したがいまして、ふるさと納税に関連したポータルサイト掲載の拡大につきましては、中には制度の趣旨に沿わない返礼品のカタログショッピング化されたものなどもありますので、費用対効果も含め、他都市の状況等を参考に検討してまいりたいと考えております。
以上、4つの提案を行いましたが、ポータルサイトには複数登録するということが示されました。ちなみに、この質問の3ヶ月後に開かれた9月の決算特別委員会では、ふるさと納税に関する答弁の中で、「市として、ふるさと納税制度の廃止も含めて国に意見をあげていく」という市の姿勢が示されています。
2018年度も制度利用者は増えていることから、受け入れ件数がどうなったのか、収支はどうなったのかが注目されるところです。私も今後の動向を注視して参りたいと思います。それでは、また明日。
==実際の質問文とそれに対する答弁==
昨年6月定例会の一般質問で、平成28年度におけるふるさと納税の受け入れ額と同時期に松本市民が市外にふるさと納税をしたことで税控除された額をお聞きしました。この差をふるさと納税による収支と捉えれば、松本市は平成28年度でおよそ1億3,000万円の赤字となり、平成20年から累計2億円を超える赤字となっていること、今後、収支の赤字が拡大すれば財政的にも影響がないとは言えないことを答弁で確認しました。
その際、PR方法の工夫や使途を明確化することなど寄附受け入れ額をふやす取り組みを求めましたが、確認する限りでは、昨年から返礼品の掲載写真が変わった以外に目立った変化がないように受けとめています。
まず、直近の平成29年度における同じく寄附の受け入れ額と税控除額、またその差額、さらに制度開始以来のそれぞれの累計額がどうなっているのかについて伺います。
○議長(上條俊道) 高野財政部長。
◎財政部長(高野一司) お答えいたします。
まず、平成29年度の寄附額、寄附金控除額についてでございますが、松本市に寄せられたふるさと納税額は約2,460万円でした。一方、同じ年度に松本市民が行った松本市以外の自治体へのふるさと納税に対する市民税の寄附金控除は翌年度の30年度に行われることになりますが、その額は約1億9,480万円で、差額は1億7,020万円となる見込みです。
次に、平成20年度の制度開始後10年間の累計額を申し上げますと、寄せられたふるさと納税額は約6,860万円、寄附金控除額は約4億8,390万円で、その差額は4億1,530万円となっております。
以上でございます。
○議長(上條俊道) 青木 崇議員。
◆3番(青木崇) 〔登壇〕
昨年度だけで2億円弱の税控除がなされ、累積で4億円を超える収支赤字となっているということでした。昨年の答弁と比較すれば、制度開始以来の収支赤字ですけれども、2億4,000万円から4億1,000万円になっておりまして、およそ1.7倍程度に膨らんでいることとなります。
全国的に規模が拡大する中、ふるさと納税による税控除額は幾らまでふえる可能性があるのかという試算を申し上げたいと思います。
世田谷区におきましては、区民が限度額いっぱいまでふるさと納税をした場合の税控除額の上限につきまして、課税者の所得割に20%を掛けることで算出をしました。その額ですけれども、およそ200億円であり、現実的にはその半分の100億円ぐらいまで税控除額が膨れ上がるのではないかという懸念が示されています。
松本市で同じ計算をした場合、あくまでもこれは概算目安ですけれども、ふるさと納税による税控除額の上限がおよそ27億円に上る可能性があります。世田谷区と同じく現実には半分程度であろうと考えるのであれば、昨年約4億8,000万円とされた税控除額が年額10億円強まで伸びる可能性があるとも言えます。さらに、これは総務委員協議会にて報告されたことですけれども、全国的にふるさと納税利用者の規模が拡大している中、松本市のふるさと納税の受け入れ件数が昨年より226人、率にして20%以上減少しているということは重く受けとめなければいけないと思います。
総務省の公開している関連資料では、ふるさと納税は地方公共団体がみずから財源を確保し、地域の活性化に向けたさまざまな政策を実現する手段として重要な役割を果たす制度であり、今度、ふるさと納税を行う方の裾野を拡大してさらなる活用を推進するとしております。また、一定額の寄附を集める自治体が既に独自施策に取り組んでいる中、今後もこの制度自体がなくなるということは考えづらい状況です。
松本市はこれまで返礼品競争には距離を置き、節度と品格ある制度運用を心がけるとされておりまして、前回の私の質問でも返礼品以外による取り組みを求めています。このまま対策をとらず、黙って税収減を見過ごすことについて、財源不足を理由に待機児童等の課題に直面する市民からの理解が得られるかどうか疑問です。昨年時点では、松本市では多くの寄附額を集められていなかったため、使途を明確化しても事業に充当することができず、基金積み立てとしておりました。これでは制度本来の趣旨であります何に使われたのかの報告もすることができず、ふるさと納税が集まらない負の連鎖に陥ってしまっています。
この状況を脱するために一つずつ対策を検討していくことが重要であると考えまして、今の松本市のふるさと納税の現状を踏まえてできることを本日4点提案したいと思います。
初めに、使途の明確化とリピーターの確保についてです。
総務省では、ふるさと納税のさらなる活用に向けた視点としまして、ふるさと納税を行った方に対して政策への意見募集や行事の案内のほか、交流会の開催などの取り組みを実施することを奨励しています。このような寄附者との継続的なつながりを持つ取り組みについて、市の考えを伺います。
また、事例の一つとしましては、横須賀市にて使い方に共感してもらうための具体的な12の基金創設というものを行っています。具体的に子育て支援としての支援ヘルパー派遣事業であったり、遊歩道の整備といったものに充当をしまして、その報告書を郵送するといった取り組みをしているそうです。これによって寄附者のリピーター率は3割にふえまして、受け入れ額も増加傾向とのことでした。特に市内NPO活動の支援基金というものがあることも特徴の一つとなっていまして、民間の活動を支援するふるさと納税の使い方というものが今、全国的にも注目をされているところです。
松本市でも基金積み立てを基本とする現状に鑑みて、このような事業ごとの基金を明確化することから始めてはどうかと考えますが、見解を伺います。
○議長(上條俊道) 山内政策部長。
◎政策部長(山内亮) お答えをいたします。
初めに、寄附者との継続的なつながりに関する取り組み状況でございますが、寄附者に対しましては返礼品のほかに市広報紙を初め、季節に応じたイベント、観光情報など松本市の魅力あるさまざまな情報などをお送りし、ふるさと納税を通じて松本の応援団をふやす取り組みを行っております。こうした取り組みの成果といたしまして、平成29年度の全寄附者815人のうち180人、率にして約22%の方がリピーターとして平成28年度に引き続き寄附をしていただいているところでございます。
続きまして、使途ごとの基金創設のご提案についてでございますが、昨年の6月定例会で青木議員にお答えしましたとおり、松本市は3ガク都や花いっぱいなど他の自治体とは差別化が図れる使途を設定しております。その中でいただいた寄附金は美しいまち松本づくり基金に一本化して積み立てておりますが、使途ごとに寄附金の管理をしていることからも新たに寄附金を創設することにつきましては、現時点では考えてはおりません。
今後、いただきました寄附金につきましては、納税者のお気持ちを大切にした事業への活用を図ることはもちろんのことでございますが、活用状況をホームページ等で報告するなどふるさと納税先として松本市を選んでもらえるよう、積極的にPRを行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(上條俊道) 青木 崇議員。
◆3番(青木崇) 〔登壇〕
それぞれの提案に対する意見は最後に申し上げたいと思います。
2点目として、ガバメントクラウドファンディングについてです。
これは地域課題解決のため、全国の方にインターネットを通じて寄附を呼びかける取り組みで、昨日、中島議員も触れられておりまして、狙いや思いの部分は全く重複いたしますので、市の積極的な取り組みをあわせて求めるとともに、私はふるさと納税の観点でお聞きしたいと思います。
総務省によりますと、ふるさと納税の使いみちを地域の実情に応じて工夫し、事業の趣旨や内容、成果をできる限り明確化することが奨励をされていまして、具体例としてクラウドファンディングなどで文化財の保護修復や児童生徒のための図書の購入、子供たちへの食事の宅配など事業の趣旨や内容をわかりやすく示してふるさと納税を募集することが示されています。総務省にふるさと納税による収支赤字を解消するための対策について、個人的に問い合わせてみましたところ、返礼品以外では寄附金が集まらないからとあきらめるのではなく、地域の実情に応じた地域課題をストーリー化して全国に効果的にPRすることで、寄附を集める工夫を検討してほしいと答えをいただきました。
こういった中、松本市で取り組む上で最も効果的であるテーマと言えば、やはり松本城の保存整備にかかわるクラウドファンディングではないかと考えます。松本市出身者や松本城ファンに訴求力が高く、全国的なPRにもつながるこの松本城保存整備に関するガバメントクラウドファンディングにつきまして、先ほど取り上げた松本城の財源確保策に関する答弁でも市民などからの寄附を集める考えがあるとされておりましたが、この取り組みに対する市の見解を伺います。
○議長(上條俊道) 山内政策部長。
◎政策部長(山内亮) お答えをいたします。
国宝松本城の保存整備につきましては、耐震補強を初めお堀のしゅんせつ工事などの必要な整備について、現在、教育委員会で具体的な整備計画を検討している状況でございます。また、その財源につきましては、松本城施設整備基金として平成29年度末現在で約12億3,900万円を積み立てており、整備計画に応じて基金を取り崩し活用することとしております。
こうした状況の中、議員ご提案の国宝松本城の保存整備の財源確保にガバメントクラウドファンディングを活用することについてでございますが、寄附金の募集期間や目標金額の設定等が必要なこともありまして、整備計画が検討中の現時点では導入することは考えておりません。
なお、昨日の中島議員のご質問にお答えしたとおり、ガバメントクラウドファンディングは新たな財源確保の手法の一つであること、また、自治体のPRに有効な手段であることは十分に認識しておりますので、今後、国・県や他都市の動向を注視しながら、議員ご提案の国宝松本城の保存整備を含めた事業への活用について研究を進めてまいります。
以上でございます。
○議長(上條俊道) 青木 崇議員。
◆3番(青木崇) 〔登壇〕
続いて、3点目としまして、総務省ではガバメントクラウドファンディング型ふるさと納税の使いみちとして、起業家支援と移住促進事業を設定することを推進をしています。これらは起業にかかわる資金を集めたり、移住にかかわる空き家の改修費用を集めるのにふるさと納税を使うといったものでありまして、これらを自治体で実施した場合、特別交付税による措置が受けられ、事業実施にかかわるその他の支援も検討するとされています。
問い合わせてみたところ、数十にとどまらない自治体が今年度から実施予定であると聞いておりますが、松本市の現状を踏まえまして国の支援を受けられる起業家支援、移住促進の使途設定が第一歩として有効と考えますが、見解を伺います。
○議長(上條俊道) 山内政策部長。
◎政策部長(山内亮) お答えをいたします。
昨日の中島議員への答弁でも一部お答えをしておりますが、本年度から民間事業者主導による地域課題の解決につながる事業を行政が支援するという、行政と民間事業者の新たな協働の形でクラウドファンディング活用促進事業を実施する予定としております。松本市といたしましては、まずはこの事業の成果を踏まえた上で民間事業者のニーズに応えていきたいと考えております。
しかしながら、議員ご提案の総務省が推進いたしますプロジェクトにつきましては、地域課題の解決につながる有効な施策と考えますので、国や他都市等の取り組み状況を注視しながら研究をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(上條俊道) 青木 崇議員。
◆3番(青木崇) 〔登壇〕
4点目、最後ですけれども、そもそものふるさと納税のPRについてです。
多くの寄附額を集める自治体ではPRにも注力をしています。当然のことですけれども、全国にあまたとある自治体の中から寄附先として選んでもらうためには、まずは知ってもらわないことにはその選択肢にも入ることができません。松本市では、ふるさと納税の紹介をするインターネット上のポータルサイトとして「ふるさとチョイス」のみを使用しておりますけれども、昨今では返礼品競争を抑制する総務省通知を踏まえ、多くのポータルサイトが返礼品特化のあり方を見直してきているところです。松本市でも複数のポータルサイトを使うなど、今後の積極的なPR強化についてどのように考えているか、見解を伺います。
○議長(上條俊道) 山内政策部長。
◎政策部長(山内亮) お答えをいたします。
ふるさと納税の返礼品の取り扱いにつきましては、先ほど議員からご紹介がありましたが、松本市は制度開始から一貫してふるさとを応援するといった本来の趣旨に沿った取り組みを行っております。このような中、寄附額が寄附金控除額を大きく下回るといった現状において、議員ご提案のとおり、寄附の獲得や松本の応援団をふやす取り組みとして「ふるさとチョイス」以外のポータルサイトへ掲載することについては寄附者の選択肢を広げるとともに、幅広く松本市のPRを行うための効果的な手段の一つであると考えております。
したがいまして、ふるさと納税に関連したポータルサイト掲載の拡大につきましては、中には制度の趣旨に沿わない返礼品のカタログショッピング化されたものなどもありますので、費用対効果も含め、他都市の状況等を参考に検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(上條俊道) 青木 崇議員。
◆3番(青木崇) 〔登壇〕
ふるさと納税の現状に鑑みまして、PRについては検討していただけるということでありました。PRについてですけれども、市民課で転出者の方に対して今やっているかどうかあれなんですが、ふるさと納税のチラシを配布するといったこともちょっと考えていただけたらなと思っております。
ポータルサイトに関するPR強化の取り組み以外については、きょうの時点で前向きな答弁が得られませんでした。このテーマを取り上げてから1年が経過をしておりまして、収支差も拡大しつつあります。先ほども申し上げましたけれども、財源不足を理由として、課題に直面する市民にとってこの姿勢が理解されるかどうかというのは疑問です。
また、全国的に市場規模が拡大をしておりまして、松本市民の利用額もふえる中、松本市の寄附受け入れ件数が減少していることも受けとめていただきまして、本日紹介した総務省による有利な支援の検討や松本城という強みを生かした制度運用など、寄附受け入れ額をふやす初手の取り組みを早急に検討をしていただきまして、赤字拡大を縮減することを求めます。

SNSの登録をお願いします。
友だち追加
twitter@aoki1230
Facebook青木たかし
Facebookページ青木 崇