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市出資法人の経営状況を調査する特別委員会を設置している下関市議会を視察。

こんばんは、松本市議会議員の青木たかしです。本日より、議会運営委員会として視察調査を行なっていて、まず下関市議会に視察に伺いました。以下、視察の報告となります。


説明を受けている際のようす

議場のようす
1、市出資法人調査特別委員会の設置について
市が2分の1以上出資している第3セクターについては、松本市でも6月定例会の際にその経営状況に関する書類が議会に提出されています。下関市議会では、これら法人について一層議会として関与していくべきではないかという意見があり、特別委員会を設置して法人の役員を参考人として招致し、法人設立の目的に沿った運営がなされているかについて調査をしています。
法人の経営状況の報告が行われる6月定例会でこの特別委員会を設置し、閉会中である10月を中心に調査を実施し、12月定例会初日に委員長報告を行っています。
経営状況について参考人から直接説明を受けて、質疑応答することで理解が深まっているという成果がある一方、指定管理を行なっている施設管理や運営に質疑が集中してしまう傾向があったり、施設の廃止などの執行部への質問と同じ次元のものを指定管理者に聞いてしまうという課題もあるようです。
本質を捉えた運用を心がければ、議会改革の一環として、出資法人に対しても書類提出にとどまらない調査を行うことは有意義であり、参考人招致による活動は議会の質を高めることに繋がると考えられるので、当市議会でも検討すべき内容であると感じました。
2、BCPについて
大規模災害発生時の対策については、市災害対策本部が担っていますが、議会としての規定は松本市では詳細に取り決められていません下関市議会では、熊本地震などの大規模災害を受けて、議会改革の一環として議会・議員の対応を取り決めておくべきであるということから、BCP(業務継続計画)の検討が進められました。
検討にあたっては特別委員会を設置し、他市において策定している議会BCPを読み込んだり、議会・議員の役割をテーマとした講演会を開催するなど、調査を進めました。先進地である横浜市・横須賀市を調査し、説明も受けながら、制定に至っています。
BCP策定は、市災害対策本部と連携して議会機能の早期回復を目指すことを目的としています。設置は、市本部設置の災害基準を準用しており、発災時から3日目、4〜10日目、11日以降という経過時間ごとにおける行動を細かく設定しています。
一方で、実際の発災時には、理論上の計画となってしまうという懸念もありますが、議会一体となって発災時を想定し、改革の一環として取り組むことの意義はあるように感じました。BCPはあくまでも取り組みのひとつであって、広く多様な視点で防災対策に議会として取り組むことが求められることは忘れてはならない点です。
3、市民との集いの取り組みについて
下関市議会では、平成24年度から、松本市議会でいう議会報告会にあたる「市民と議会の集い」を開催されています。年3〜4地区開催をして、4年間で全地区を回れるというスケジュールとなります。松本市議会の報告スタイルと同じ、対面するスクール形式で、1時間半程度の時間で行われます。市民から出された意見・要望は、その場で返答できなかった場合は持ち帰って返答することとしているようです。一般質問で取り上げる議員もいる中、会津若松市議会のように政策提言サイクルまでは昇華するには至っていないとのことでした。
日頃接する機会のない議会のことを知ってもらう貴重な場であり、関係団体との交流の場だけでなく、全市民を対象とした交流の場は、松本市議会でも引き続き取り組むべき項目であります。
4、議会施設について
議会棟設置時には、各会派で要望を提出しており、図書室スペースの確保と、プライバシーの保てる応接室の増設も挙げられています。
同じく要望に挙がっていたキッズルームと車椅子専用スペースを議場に設置しており、電子表決システムで名前入りの採決の結果が表示されます。Wi-Fiも整備されており、新しく導入されたタブレットによるペーパーレス会議にも取り組まれています。一般質問の際に、議場でタブレットの資料をディスプレイに表示することも行われており、有効活用されていると感じました。タブレット・通信費は自費調達で、使用実態に応じて政務活動費を適用可としています。
地方自治の重要な意義を持つべき議会で、市民にとってあるべき機能が十分担保されることは不可欠です。権威主義に偏ることなく、これから100年先の情報化・人口減少時代に適切な議会施設が整備されるよう、検討を進めていきたいと思います。